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まさに錬金術!燃料を水で増やす新技術|WBS
2020/02/29
燃料を水で増やすことができるとしたら。。。
そんな錬金術のような話題が、2月10日の「ワールドビジネスサテライト」から紹介。
次世代の文字通りの”水増し”燃料が、実用されはじめているそうだ。
山梨県の富士吉田市で、日本初のエコ燃料で一般道を走るバスは、「水50%+軽油50%」で走っていた。
エマルジョン燃料
その技術を開発したのは、エネコホールディングス。
ここで、軽油と水を混ぜて、”水増し”燃料を作っていた。
軽油10Lと水10Lを混ぜると、比重が重い水が下に、比重が軽い軽油が上にと完全に分離する。
ここに、独自に開発した薬剤を入れると、水と軽油が見事に混ざる。
これが”エマルジョン燃料“と言われるそうだ。
この薬剤は、界面活性剤で水と油をくっつける役割を果たしている。
エマルジョン燃料の燃焼効率を検査したところ、なんと、水分はほとんど検出されず、JIS(日本工業規格)が定めた軽油とほぼ同等だったそうだ。
燃焼効率が落ちない理由
なぜ、水を混ぜても燃焼効率が落ちないのだろうか。
油の中に入り込んだ水は、高熱を加えることで沸騰して爆発し、油が細かい粒になる。
細かい粒になった油は、熱を受ける面積が増え、より燃焼しやすくなるという原理のようだ。
さらにはこのエマルジョン燃料、50%のCO2(二酸化炭素)が削減可能と、エコな燃料とのこと。
このエコ燃料を使う「井出造園」では、従来の100%の軽油と比べてもパワーも燃費も同等で良い燃料だと絶賛。
さらに、燃料コストが76万円から48万円に削減できたそう。
普及が難しい問題
しかし、問題もある。
この軽油は、現在山梨県内でしか製造・販売ができない。
軽油に混ぜ物をした場合は、その混ぜ物分に税金がかかっていないということで不正軽油となり、公道を走れないという。
つまり、普及には税金の壁があった。
山梨県内では、水の部分も軽油分と同等の税金を納税することで、県から許可が下りたそうだ。
しかし、こんな技術をほっとくわけもない。
世界中、特にエネルギー資源が乏しい国からは大注目を集めているそうだ。
タイやシンガポール、ガーナなど16か国と契約を結ぶ予定とのこと。
エネコでは、水の割合をさらに上げる研究を行っているそう。
エマルジョンをエマルジョン?!
エマルジョンをさらにエマルジョンするという。
それはどういうことなのだろうか。
エマルジョン① = 軽油50%+水50%
エマルジョン② = エマルジョン①+水50% → 加水率75%
エマルジョン③ = エマルジョン②+水50% → 加水率87.5%
このエマルジョン③の分析を行ったところ、軽油とほぼ同じ燃焼効率をクリアしたそうだ。
つまり普通の軽油と変わらないそう。
まさにエネルギー革命が現実の話題となっている。
プラス要因にしか思えないこの話題だが、大々的な普及に向けては、既得権益からの圧力やパワーバランスが大きく変わるなど様々なハードルがあるのではと懸念してしまう。
今後の動きに注目したい。